まりえしーるの凡庸な生活。
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2010/09/02 Thu
Bitches Brew Legacy Editionグーテンナハッ。式波アスカよ。マイルス・デイビスの北米盤ビッチェズ・ブリュー・レガシー・エディションを手に入れてみたの。せっかくだから中身をあんたたち平民にも教えてあげるわ。あたしの寛大さに感謝することね。

とかなんとか浮ついた書き出しにもなろうってもんです40周年こんばんは。あなたと夜とシューマイとのお時間がやってきました。お相手はサイクルの幅が長すぎて生涯一度も鬱モードに入らぬソーウツ患者とウワサされるお調子者まりえしーるです。で、レガシー・エディションですが、まずジャケが従来より青い。シアンかぶりってやつっすか。将来マイルスファンの間では「青いヤツ」と呼ばれることは確実です。どーでもよかったですね。


ジャケはダブル観音開き。開いて開いて上のジャケ写の4倍の幅になりライナーノートの入ったスリーブとCD2枚とDVD1枚が横並び。CDはアナログ盤のレーベルを模したデザイン。でー、ケースからディスクを外した下にねー、音源として収録された「マイルス・ランズ・・・」と「スパニッシュ・キー」のシングル・エディション、それぞれのレーベルが現れるっつー愛くるしさ。

あ、このジャケ、ラップみたいなもんで包装されてるんですが、そこに売り文句が書かれたステッカーが貼ってあります。こいつにマニア向けの情報がひとつ載ってますんで包装破いて捨てちゃう前に一読しとくといいんじゃないかなーって思います♪

中身はといーますと、まずCDのほうですが、なんといっても新たに発掘された「スパニッシュ・キー」の別テイクがいいですねー、こいつを聴くのが楽しみで買ったよーなものです。実はCDのほうはこればっかり聴いてて、オリジナルナンバーのほうまで耳が届かず今回のリマスターで音質がどう変わったかとかは今のところ全然わかんねえっす。後日。

DVDのほうはちゃんと通して見ました。メニュー画面はジャケイラストがうねうねと蠢いて異様な迫力。いやがおーにも高まる期待。指の震えを抑えつつPlay Allをクリック。さあコンサートのスタートです。おおっ、これはびつくりだ。画質も音質も立派なクオリティーです。放送局のマスター使ったんですかねー。今まで見てきた1969コペンハーゲン映像とは雲泥の差。ロスト・クインテットがこんなに鮮明な姿であなたのお茶の間にっ。

Live In Copenhagen & Rome 1969このDVDの最初の比較相手はこれまで何度か紹介した、JazzShotsから既発のDVD「Live In Copenhagen & Rome 1969」に収録されたコペンハーゲン公演パートであります。画質音質ではるかに上回ってるってこと以前に、今回のは収録曲数が多い。今作のDVDはステージ開幕、文字通り幕が左右に開くところから収録されてますが、JazzShots版は3曲目以降が収録されてるのみであったか。その上にJazzShotsのテロップや画面右上隅に常駐するJSロゴみたいな邪魔者が今回のDVDには一切ないっ。これはありがたい。


Live in Rome & Copenhagen 1969 CD版で、次の比較相手もおなじみの既発CD「Live In Roma & Copenhagen 1969」に収録されたコペンハーゲン公演パート。このCDはフルで収録してるのかなと思ってたんですが、あーらまたびつくり、今回のDVDのほうが一曲多い。このCDも部分カットされてたんだー。なんとね。てゆーかー、トラックリスト比較すればすぐわかることなんだけどね。私、あんまり読まないんですよ、そーゆーの。観たり聴いたりして初めて違いがわかる、っつーか、観たり聴いたりするまで何もわからない、てゆーか、ま、良く言えば現場主義です。はぁ?なんすかそれ。


とかなんとかこまごましたことを書き連ねてしまいました。以上が発売40周年を記念したアニバーサリーなマイルス・デイビス・ビッチェズ・ブリュー・レガシー・エディション北米盤の第一印象ってことでひとつ。これで1974円は安い。めちゃくちゃ安い。あ、このネダンは私が予約オーダーしたときのものです。今はいくらなんだろ。あーもっと買っておけばよかったかな(←なんのために♪)。

ちなみにこの北米盤レガシーエディションに、タングルウッドでのライブCDをプラスした国内盤なんですけど、発売日がひとつきほど延期されたそーですよ。10月27日発売予定だそーです。どーしたのかな。なにがあったのかな。2度目の延期ですよ。もしかしてタングルウッドCDの権利関係でなんかもめてたりとかかな。私国内盤の予約入れてるんですよ。遅れるなんてガマンできないっ。きいっ。

って、ホントに両方買っちゃうんだ、私。これじゃあアスカちゃんに「あんたバカあ?」といわれてもしょーがないですね。いって。
2010/08/09 Mon
チューバはうたう mit Tuba図書館で目に飛び込んできたタイトルにどきっとし、その本を手に取るとカバーに描かれた愛らしいイラストはチューバを携えた女性だった。自分を見つけたような気がした。このとき既に私は恋に落ちていたのかもしれない。これは私のだ、私のためのものに違いない、という身勝手な思いが湧きあがる。

高身長というだけの理由で割り当てられた楽器、そんなチューバとの消極的偶然による出会いの後、主人公はチューバの持つ魅力に、魔性に、チューバが支える地平の上に構築されるハーモニーに、そして音楽そのものにのめりこんでいく・・・チューバ経験者ならば必ず、否、経験者ならずとも引き込まれずにはいられない甘く美しく切ないストーリー。しかしこの鮮烈な青春ドラマは長く続かず、物語は徐々に本領を発揮し始める。本当にすごいのはこれからだ。

これはチューバを象徴とした音楽マイノリティの物語である。音楽マイノリティが生涯抱え込むことになる思いが、ここにある。私は読んでいる間、肌がひりつくような焦燥感とともにあった。とても他人事とは思えない、自分のこととしか思えない、そんなひとりよがりな錯覚で船酔いしそうだった。

おそるべきカタルシスが何度もあって、そのたびに私は涙ぐんだ。特に終盤、世界最速のバンドのオープニングで空に向けられた管の咆哮の描写に続く「チューバだ」という一文、こいつでもう大泣きしてしまって以後はメロメロ、ステージに押し上げられた主人公が、ずっと勉強してたドイツ語でメンバーと会話するシーンでさらに泣いて、彼女がポケットに金属の塊を忍ばせてるもんだからまたさらに泣いてしまう。それがなんだか知っているさ、それがマウスピースだってことは誰よりも私がわかっているさ・・・あー、もうダメ、涙と鼻水でボロボロですよ。ハンカチを食いしばりながら読みましたよ。

ま、控えめに言って、私は、発狂した。

読後私はなにもできなくなってしまった。この本は短編集なのだが、表題作の後に収録されている物語を読むことが出来ない。もう溢れちゃいそうだよ、これ以上もう何もほしくない。今は作者のこともなにも知りたくない。この本に関することをこれ以上知ったら壊れちゃうよ私。

経歴等作者の個人情報を見るのが怖くて、うっかり奥付のページを開いてしまわぬように、私は注意深く本を閉じた。




パトリック・ズュースキントの小説「コントラバス」は嫌だった。なぜか「同じ低音部族の恥」みたいな近親憎悪的感情を抱いたのですね。理由はよくわからない。

「チューバはうたう」は違う。なんというか、音楽マイノリティの希望も絶望も勇気も矮小さも情熱も無関心もみんなここにある。主人公の、様式に囚われた多数派音楽への軽い侮蔑などにはあんまり共感できないけれど、それでもなお、私はこの本の中にいる、そんなふうに思えてしまう。

この本を読んだ、だからもう私は死んでもいいような気がする。同時に、またこんな感動に出会えるかもしれないのだから、もう少し生きていてもいいような気もする。今、私はからっぽだ。
2010/07/22 Thu
Brother Thelonious前回のビッチェズ・ブリュー40周年記念ビールからのつながり、ってわけでもないんですが「ブラザー・セロニアス」とゆービールがあるんですよ。製造元NORTH COAST BREWINGのページはこちらです。このビール、利益の一部はセロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズに寄付されるんだそーです。NORTH COAST BREWINGはこのビール関連商品としてCDも出してるんですよ。その名はThe Brother Thelonious Quintet。参加メンバーはセロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズ出身ミュージシャンたちだそうです。


Thelonious Monk Institute of Jazz何度も出てきたセロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズってなんでしょねっというかたはこのガッコのサイトへどうぞ。このガッコは毎年コンペティションをやってるんですが、去年はベーシスト、今年はヴォーカリストと作曲家、みたいに毎回テーマを絞ってるところがおもしろいです。


Miles Davis Awardかように偉大なアーティストの名前は亡くなった後も様々な形で世に影響力を示すものでございます。われらがマイルスの名も当然あちこちで目にすることが多々あります。たとえばモントリオール・ジャズ・フェスティバルでは毎年マイルス・デイビス・アウォードなる表彰イベントがありまして、こちらがその歴代受賞者リストでございます。
おや、昨年の受賞者はオーネット・コールマン、今年の特別賞はデイブ・ブルーベックでございますかあ。うーむ、なんだかとってもジャズ功労賞っぽい意味合いが強いみたいですねー。控えめにいって、これっぽっちもマイルス的じゃねーんだよオラアっ、てなカンジかもしれないですわね。ま、それはそれでいいのではないかと。ではまたいつか。




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